「逃げるは恥だが役に立つ」を
観ているあなたも
観ていないあなたも
こんにちは。
「逃げ恥」の星野源さんのマネをしたら「犬のフ○を踏んでしまった子供」を見るような目で見られ杉田です。
1週間お疲れさまでした!
えーと、先日の「セラピー体験者の声」でもお話したんですけど、私、セラピーでクライアントさんにお会いする前に、私から悩みをお聞きすることはないんですよ。
あ、もっとわかりやすく言うと、「セラピーのお申込みフォーム」に、悩みの内容のご記入は、必須にしてないんですね。
というのは、今までの経験から、事前に悩みの内容をお聞きしたところで、実際のセラピーでは、
「本人が自覚していた悩みと、違う悩みを扱うことがけっこう多い」
からなんです。
あ、でもそんなこと言われてもあまりピンとこない方もいらっしゃると思いますので、今回の記事ではそういった、
「本人が自覚していた悩みと違う悩みを扱う例」について、いくつかご紹介したいと思います。
あ、今回の話は、全然ハッとするような話ではなくて、けっこう細かいというか、微妙な部分の話なんですけど、
自分の悩みを勘違いしていると、ヘンな解決策をうって、迷走しやすくなるので、そんな方に少しでもお役に立てたらと思ってお話します。
えー、さてさて、たとえば、
「転職したいけど、何がしたいかわからない。自分がやりたい仕事を知りたい」
なんてご相談がきたとしますよ。
私のところによくあるようなご相談。
で、私、こういう相談の時は、まずは「転職したい理由」をお聞きするんですけど、
「今の会社は、給料が安くて、休みが少ない。そうなると休みの日も疲れて何もできない。だから転職したい」
なんて言われたとしましょう。
で、そうやって転職したい理由をお聞きした後、私は、
「もしその不満がなかったらどうしますか?」
っていう質問をするんです。
この場合だったら、
「もし会社の給料が安くなくてふつうで、休みもふつうにあったら、どうしますか?」
って質問をするわけですけど、
そうすると、
「だったら転職しません」
なんて言われることがあるんですよ。
となると、この話は、「やりたい仕事探し」というよりは、
「仕事の待遇面(給与・休み)の不満」
のほうがメインの悩みなんですよね。
なので、いきなり「やりたい仕事探し」の話にもっていくのではなく、まずは、「仕事の待遇面」について、
「どれくらいの給料や休みを希望しているか?待遇が良くなると、どう生活は変わるか?」
「その人が待遇を良くするためできることはないか?」
「同業他社に転職すると待遇面がどうなるか?」
とかを、まずは整理したほうが良いと思うんです。
でも、よくあるのは、こういったケースでも、本人は、
「仕事内容がイヤなわけじゃないけど、この待遇ではやってられないから、しかたなく転職したいと思っている」
ってことに、「自分で気づいていなくて」、
いきなり、
「やりたい仕事やってないからいけないんだ!やりたい仕事探ししなきゃ!」
みたいになってることが多くて、
そういうとことから、「本人が自覚している悩み」と「実際の悩み」が少しづつズレていくんですよ。
あ、それから、「もし会社の給料が安くなくてふつうで、休みもふつうにあったら、どうしますか?」という質問に対して、
「今すぐ転職はしないと思うけど、いずれ転職すると思います」
みたいな答えだったら、
こういう人は、「仕事内容」に興味を失いつつありますから、言葉通りの「やりたい仕事探し」というニュアンスが少し強くなるのではないでしょうか。
いずれにせよ、クライアントさんが、「自分のやりたい仕事を知りたい」と言っているかといって、
「じゃあ、やりたい仕事探しましょう!」みたいに、いきなり「言葉通りの相談」として扱うのではなく、
本人が自分でも気付いていない部分もあるので、いろいろと質問させていただいたうえで、進めるようにしています。
あ、それから他に、「転職したいけど、何がしたいかわからない。自分がやりたい仕事を知りたい」という相談で、転職したいと思うに至った理由が、
「同じ部署に、どうしても苦手な人がいて、耐えられない」
みたいな「人間関係の問題」だったりすることも多いんですけど、
そういう時も、先ほどと同じように、まずは、「もしその不満がなかったらどうしますか?」という質問から入ります。
この場合だったら、
「もしその苦手な人がいなかったらどうですか?」
ってことになるわけですけど、ここでも、
「だったら転職しません」
となることがあって、
そうだとすると、これは、「やりたい仕事探し」というより、「人間関係の悩み」のほうがメインになってくる可能性が高いんですよね。
で、「人間関係の悩みかも?」となったら、私は、
「そういう人間関係の悩みは、今回だけの問題か?それとも、過去にいつも同じような問題が繰り返し起きているのか?」
「特定の人に対してだけ起きる問題か?それとも誰に対しても同じような問題が起きているのか?」
「男性、女性、どちらが特定な性別の人が苦手とかあるか?それとも性別に関係なく苦手か?」
など、いろいろと質問させていただいて、それでも「人間関係の悩み」の可能性がますます高くなってきたら、
そちらをテーマにセラピーを進めることがあります。
(もちろん本人にご相談&同意の上で)
あ、で、こういう「人間関係の悩み」がある場合って、たとえ、「やりたい仕事」が見つかって、その職場に移ったとしても、同じような人間関係の問題でつまずく可能性があるわけですよね。
なので、セラピーで、その「人間関係の悩み」を扱ってそれが軽減すれば、もしかすると転職しなくて今の職場でもふつうに働けるようになったりすることがあるんですよ。
と、こんな感じで、セラピーをやっていると、
本人は、
「やりたい仕事がわからないこと」が悩み
と思っていたけど、実際は、
「人間関係の悩み」だった、
なんてことは本当によくあるんですけど、
「人間関係の悩み」であることに気づかなくて、「やりたい仕事探し」をして迷走している方に私は今まで何人もお会いしてきたんですよね。
あ、それから、ここまでお話してきたのとは違うパターンの「本人が自覚していた悩みと違う悩みを扱う例」として、もう1つご紹介しますと、
セラピーのはじめでは、
「上司に怒られるのが怖いのを何とかしたい」
なんて感じの悩みを言われるんですね。
で、私は、そういう時はまず、その方が、
「怒られるということに対して、すごく苦手意識がある」
といった、「性格的な悩み」の可能性があるかもと思って、いろいろ質問させていただくんですけど、
どうもそういうことではないことがわかってきて、クライアントさん自身も、
「前から人に怒られるは人並みにはイヤだったと思うけど、ここまで大きな問題にはならなかった。なぜここにきて、それが急に大きな問題になったのか?」
みたいな感じで腑に落ちないことってあるんですよ。
で、そういう時によくあるのは、本人が
「仕事がイヤになっていることに、自分では気づいていない」
ってことが多いんです。
あ、これ、どういうことかというと、仕事がイヤになると、やるのがツラくなりますから、仕事があまり進まなくなりますよね。
でも、上司はそれを許してくれないというか、今までと同じようにやるか、もしくは、ますますの成長を求めてくるわけですよ。
でも、仕事がイヤになる前のあなただったら、なんとかその要求にこたえることができたけど、
仕事がイヤになってしまった今のあなたには、もう前のようにはやれなくなっているんですね。
で、やれないから、「どうしたんだ?」みたいな感じで上司から怒られることが増えるわけですけど、たとえ怒られても、今のあなたは、やっぱり「やりたくない」んですよ。
でも、自分で、「仕事がイヤになって、やりたくないと思っていること」に気づいていない人は、
「私が今ツラいのは、上司に怒られるのが怖いことが問題なんだ!」
としてしまって、
「(仕事がやりたくないから、やれなくて)上司から怒られても、全然気にならない私になりたい」
って思ってセラピーに来られることがあるんです。
あ、もちろん本人は()の部分は気づいていませんが。
でもそういう「問題の解決方向」って、たとえて言うなら、学生の頃だったら、
「宿題をやらなくて、どんなに先生に怒られても、全然気にならない私になりたい」
みたいな感じでしょうか。
んー、たしかにそうなれればイイけど、それはちょっと・・・。(笑)
ということで、こんな感じでいろいろ質問させていただくと、「上司に怒られるのが怖いのを何とかしたい」ということに悩んでいた人が、実は、
「仕事がイヤになって、やりたくないと思っていること」
に初めて気づかれてハッとしたり、そのことに気づいて、人によっては、転職を検討したりする方もいたりします。
あ、ということで、こういう感じで、本人が自覚していた悩みと違う悩みを扱うことが多いので、私はセラピーの前に悩みの内容をお聞きしないです。
あ、もちろん全ての方が、ご本人が自覚していた悩みと実際の悩みが違うわけではないですし、ご本人がセラピー前に悩みをお話したい場合は、もちろん喜んでお聞きします。
そういう時は、「セラピーのお申込みフォーム」の備考欄の「何かございましたらお書きください」というところにご記入くださいね。
あ、で、最後に今回の話ですが、「この質問にこう答えた人はこうだ」みたいなことを決めつけたいわけじゃなくて、あくまでも、ここでご紹介したのは
自分では、「これが悩みだ!」と思っていたことがけっこう違ってたりしますよ、
ってお話をご紹介したかっただけですからね。
でもそうやって、「自分のやりたい仕事を知りたい」みたいに実際の悩みとは違う悩みがキッカケでプロに相談ができて、
「自分が本当に悩んでいること」をそこで扱うことができてそれが軽減するなら、それってラッキーなことだと思うんですよ。
それでは今回はココまでにします。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
また次回お会いしましょう!