「苦手な人がいる」

と悩んでおられたクライントさんから、
個人セッション(心理セラピー)の後にいただいた感想です。

(ご本人の許可をいただいて掲載しております)

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世の中は「投影」に満ちているなあ、というお話。
あと、未完の感情を吐き出すことの大切さ。

ま、いつものだらだらーっとしたおしゃべりです。
お暇があればおつきあいください。

「投影」、杉田さんの本やブログ、WSでも出てきましたね。
スポンサーシップエクササイズで相手に言った言葉は、自分の中にもある。自分の中にあるものしか言えない。
つまり、自分の中にある良いものを相手に「投影」している。

杉田さんのブログの『「ムカつく人」がたくさんいるあなたへ』の、『「自分が抑圧しているものを出している人」を見るとムカつくんですね。』も投影ですよね。

自分の秘められた禁じている欲望を実現している人にムカつくわけで、本当は「私もやりたい!」なんですよね。

さて、実は私にはちょっとげんなりする悩みがありまして、それというのも、子どもと外出していると初対面の人にキツイことや失礼なことを言われる率が高いんです。
自分一人の時はまったく全然ないのに。

子どもが小さい時は「迷惑かけてすみません(~_~;)」って申し訳ない気持ちでしたが、最近、まったく接点がない状態でもいきなりからまれることが続いて、「私が何か悪いのか」とずーっとモヤモヤしてたんです。
外出が怖くなるくらい。

で、先日のこと。
母子の居場所を求めて、旦那の古くからの友人が主催している某団体の見学に行きました。
子どもを対象にした活動をしていると聞いていたので。

大きい子が多かったので、母親が付き添っていたのはうちだけでした。

そしたら、そこの男子学生ボランティア君がなんか絡んでくるんです。
初対面でこちらのことは何も知らない状態なのに。

「最近の母親は手抜きばかりしてダメだ」みたいな話をネチネチとしてくるわけですよ。笑顔で。

ていうか、見学しに来た初対面の母親にこの態度って、団体の活動妨害になるんじゃないの?って、家に帰ってからもモヤモヤして、彼の態度を思い出すとほんと言いがかりもいい所で、「やっぱりあれって嫌がらせだよな」って腹も立ってきて。

で、その日の出来事を検証してみると、ボランティア君は団体の代表3名の内、男性スタッフの2名にはすごく懐いてるんですね。
お手伝いもよくするし。

しかし、残り1名のおとなしい女性スタッフには、男性スタッフの見てないところでどこか横柄な態度をとり、雑用を押し付ける。困ってても見て見ぬふり。

あ、ボランティア君の母親を投影されてるんだ、と気づきました。
女性スタッフは組織の中のいわば「母親役」。
「母」を思わせる存在に反応しているだけなんだ、と。

おそらく母親との関係が悪いんでしょう。憎しみをもっている。
だから、こちらが何を言おうと聞いちゃいない。

相手は私個人に言ってるのではなく、自分の母親への恨みをぶつけているだけですから。
私、悪くない。
ていうか、そもそもなんにも知らないくせに決めつけられて迷惑。

で、ここで「わたし、悪くないんじゃーん♫」って楽になればいいですけど、私の頭は「次会ったらなんていいかえしてやろう。やりかえしてやろう」って、負のオートクラインが回りだしてしまったのです。

これが辛い。全然楽しくないんです。
効果的な仕返しを考えたところで、胃が重くなるばかり。
「やりたくない」んです、そんなこと。

でも、負のオートクラインが止まらない。
「その団体、二度と行かなくていいよ。」とか
「代表の人に苦情を伝えればいいよ。私が手を下すことない。」とか
自分に語り掛けてみるのですけど、どんどん下腹が熱く煮えたぎってくる。

下腹の感覚は「不安、恐怖、怒り」を表しているのでしたね。
胃は「やりたくない」ってどんどん痛みを強くしてるのに。
私、怒りたいんだ。ということだけはわかりました。

それで、モーニングノートを取り出して、「怒っていい。ゆるす!」と大きく書き、
続けて怒りの言葉を書き連ねました。

「やっつける。ぶんなぐる。…」物騒な言葉が次々に出てきて、自分でも嫌になるし胃も重くなるけれど、吐き出しつくすまではと、どんどん書いていきました。

そして、A4ノートの三ページ目まで差し掛かったころ、かなり過激な暴力的な言葉の後に、ポロリとこんな文章が出てきました。

「やられたままなんて嫌だ。今ならやりかえせる。」
…「今なら」?じゃあ、いつ、やりかえせなかったのか。
やられたままだったのは、いつのことなのか。

いきなり、ブワーッと中学生の頃のいじめっ子の女の子達の顔が浮かんできました。
ネチネチ、言われてたなあ。

笑顔で嫌なこと言うし、こっちがなんか言っても
「ええ~、そんなつもりじゃないけどぉ~」
とかわされるし、ずっと耐えてたなあ。
怒ったら負けだって。

でも、ほんとは怒鳴り返してやりたかった。
あー、そっかそっか。
私も投影してた。彼のネチネチした口調に。
自分をいじめた女の子たちを投影してた。

当時の黙って耐えていた自分の分まで、やり返そうとしてた。
そりゃ過剰防衛だわ。やりすぎ、よくない。
課題の分離しよう。

ボランティア君のことは、利用者の意見として代表に伝えよう。
冷静に。事実だけを。「私個人の印象ですが」と断りを入れることも忘れずに。

で、次にボランティア君が絡んで来たら、湧き上がる感情を抑えなくていい。
自由に表現することを自分に許す。
穏便に流そうとしなくていい。
マジメに受け答えしなくていい。

だって、私に向けられた言葉じゃないんだから。
拒否していいし、逃げてもいい。怒ってもいい。
傷ついていないフリ、しなくていい。

そこまで整理したら、胃の重さがスーッと軽くなり
「そうそう!」って声が聞こえるようでした。

世の中は投影で満ちているなあ、と思いました。

クリスマスが近づいてくると、カップルが多い気がしたり、
ダイエットしてると、バクバク食べる人が気に障ったり、

落ち込んでいるときは、イヤなものばかり目につく気がするし、心が晴れやかだと、世界が輝いて見える。

先日、うちの子とバスを待っていたら、60才くらいのご婦人に
「お子さんひとりだけ?寂しいわねェぇぇ!!私なんて男の子2人産んだのよ!」
と謎の勝ち誇りをされました。

たぶん、そのご婦人、お嫁さんと仲が悪いんでしょう。
しかも、自分が負け気味。
自分が勝っているのは産んだ子供の数くらい。

で、そのお嫁さんの子は、男の子が1人。賭けてもいい。
私に、自分の気に入らないお嫁さんを投影したのです。たぶん。

また先日、公園で丸顔のおばあさんに
「男の子のお母さんは大変よね。でも、大変なのは今だけよ。お母さんが手をかけた分、絶対にいい子に育つから!がんばってね。」
と暖かいはげましをいただきました。

これも、私個人の何かを知っていてかけた言葉ではない。
おばあさんが若い母親だった昔を、私に投影して言ってくださったのです。

世の中は投影で動いています。
人は、過去の経験で今を判断するのですから、影に惑わされるのは仕方のないことなのかもしれません。

でもできれば、私はよい投影を周囲に向けていけたらいいと思うし、悪い投影には早めに気づいて、自分を自由にさせてやりたい。

これからも、子どもといっしょに行動するだけで、私はいろんな投影を受けるんでしょう。

すべての人は母親から生まれたのだから。
自分の母親には、良くも悪くも思い入れがあるものだから。
そして、母親経験のある女性はたくさんいるのだから。

これからもずっと、私が「母である」というだけで、
好き勝手に自分の母親を投影して、
もしくは母親である自分を投影して、
攻撃したり、理想化したり、同情したり、励ましたりされるんでしょう。

嫌なことが続きすぎて、子どもと外出するのが怖くなった時期もあります。
ちょっと引きこもったこともありました。

でも、悪いことばかりではなかった。
良い投影を向けられて、元気をもらったこと、ありがたかったこと、助けられたこともたくさんあった。

悪いことばかりにフォーカスしたくないです。
がんばって、外に出て、色んな人に会っていこうと思いました。

それにしても私、失礼な人にあたる回数が多い気がするんですよね。
「攻撃しても大丈夫そう」な人にみえるんですかね。人畜無害?(笑)。

それとも、あんまり個性のない、投影しやすい外見なのかなあ。
髪型変えようかなあ。

モヒカンとかにしたら、母親を投影されることが減ると思うんだなー。
杉田さんとおそろいとかね♪

 

> 私も投影してた。彼のネチネチした口調に。
> 自分をいじめた女の子たちを投影してた。

> 当時の黙って耐えていた自分の分まで、
> やり返そうとしてた。
> そりゃ過剰防衛だわ。やりすぎ、よくない。
> 課題の分離しよう。

素晴らしい気づきですね!

人は、誰でも「投影」します。つまり、「相手の中に自分を見ます」。

セラピーを習った先生は、

「投影してしまうのは仕方ない。
でも ”投影しているんじゃないか?”と自分に問いかけて、そのことに気づくことが大切」

と言われていました。

今ではそのことの意味がよくわかります。

ところで、この「個人セッション(心理セラピー体験者)の声」、気がつけば今回で「100個目のセラピー体験者の声」になりました。

私のセラピーに来られるのは、「セラピー/カウンセリングを受けるのは初めて」という方がほとんどなので、

そういう方たちにセラピーというもののイメージが少しでも伝わればいいなと思って「体験者の声」を掲載しはじめたんですけど、読んだ方からは、

「自分と同じようなことで悩んでいる人がいるのを知って、ホッとした」

「読んでいて、自分も気づきがあった」

「セラピーを受ける前は、体験者の声を読んでも、意味がわからなかったけど、

セラピーを受けてから、わかるようになった」

なんて声をいただいくようになりました。

この「セラピー体験者の声」ですが、お願いして書いていただいているのではなく、クライアントさんが自主的に送ってきてくださったメールをご紹介しているので、まだまだご紹介しきれていない声が山のようにあります。

掲載の許可をいただいたのに、まだご紹介できていないみなさん、ゴメンさいね。

今後順次ご紹介させていただきます。

そしてこれからも、クライアントさんとご一緒にこのブログを作っていけたらと思っています。

どうぞよろしくお願いいたしまーす!

それから、「人間関係がうまくいかない」という方は、

⬇コチラに人間関係についての記事一覧がありますので、ご覧になってみてくださいねー!

人間関係がうまくいかない
「人間関係がうまくいかない」の記事一覧です。

 

杉田 隆史

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