こんにちは。心理セラピスト・キャリアコンサルタント(国家資格)の杉田隆史です。
今回は「何がしたいかわからない」あなたが最初に読むのにピッタリなページを作りました。
やりたい仕事がわからない方、就職・転職を考えている20代・30代、40代の方、初めての就活をしている大学生の方、この記事を読むと「何がしたいかわからない」という言葉のウラにある、あなたの本当の悩みがわかりますよ。
「何がしたいかわからない」という人は、「やりたいことが見つからないこと」に悩んでいるわけではない
私は、ふだんは渋谷にあるセラピールームで、悩みを抱えている方からの相談を受けているのですが、そんな私のところに15年ほど前、急に相談件数が増え「同じ相談内容」ばかりが持ち込まれるようになりました。
それが、「何がしたいかわからない」という悩みです。
なぜ私のところに「何がしたいかわからない」という相談が増えたのかというと、どうやらネットの検索エンジンで「何がしたいかわからない」と検索すると、私の書いたブログがトップページに出るらしく、その記事を読んだ方が日本全国から相談に来てくださっていた、ということがわかりました。
実際に、「何がしたいかわからない」で検索した方にお話をお聞きすると、
「今の会社がツラくて辞めたいけど、次にどんな仕事がしたいかわからない」
「まわりの友人がやりたいことをやっているのに、自分だけ熱中できるものがない」
「やりたいと思ってはじめたことが、やりたくなくなって、自分がどうしたいかわからない」
そんなモヤモヤとした状況の時、ネットで思わず「何がしたいかわからない」と検索してしまって、たまたまヒットしたのが私のブログで、その内容があまりにも自分に当てはまることに衝撃を受けて、
「カウンセリングとか受けるのは初めてだけど、相談に行きたいと思いました」
そんな話をみなさんおっしゃっていました。
そんな経緯もあって、私は「何がしたいかわからない」という相談を日本全国から15年にわたって4500人以上の方から受けることになったわけですが、その中でわかってきたことは、
「何がしたいかわからない」という人は、「やりたいことが見つからないこと」に悩んでいるわけではない
ということでした。
これがどういうことかというと、私は最初「何がしたいかわからない」と悩んでいる方は、「やりたいことを見つけたい」と望んでいるものだと思っていました。
実際クライアントさんも口では「やりたいことがわからないので、見つけたい」と言われるんです。
ところが、さらにお話をしていくと、本当は「やりたいこと」なんて探していなかったり、「やりたいことがわからないこと」とは、まったく別のことで悩んでいることが多かったんです。まるで、自分の本当の悩みを「何がしたいかわからない」という言葉で言い換えているかのように。
つまり、「何がしたいかわからない」という悩みの中には、言葉通りではない、さまざまな意味が含まれていて、たとえクライアントさんが、
「やりたいことがわからないので、見つけたい」
と言っていたとしても、一辺倒に「では、やりたいこと見つけましょう!」みたいな展開にしてはいけないということがわかってきました。
ところが、今、世の中を見回してみるとどうでしょうか?
「何がしたいかわからない」という方が目につくのは、おそらく
「こうすればやりたいことは見つかる!」
「好きなことを仕事にする!」
「誰にでも天職はある!」
「ワクワクすることすれば、やりたいことが見つかる!」
のようなキラキラしたメッセージではないでしょうか。
もちろん、このようなキラキしたメッセージに従って人生が開けていく方もいるのでしょう。
ただ、これらのメッセージばかりでは、
「何がしたいかわからない → やりたいことを見つける」
という方向でしか解決のイメージが持てなくなってしまうかもしれません。
でもそれだと先ほどお話したような「やりたいこと探し」をしているように見えても、本当は「やりたいこと」なんて探していなかったり、
実は「やりたいことがわからないこと」とは、まったく別のことで悩んでいたりする方は、解決どころか、ますます迷走してしまうんですね。
実際こうしたキラキラしたメッセージに従っても、悩みが解決しない方のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。
この記事は、そんな方のために書いたものです。
「何がしたいかわからない」という言葉のウラにある、あなたの本当の悩み その7つのパターン
そこで今回の記事は、私が「何がしたいかわからない」というクライアントさんとの対話を通じてわかったことを
「何がしたいかわからない」という言葉のウラにある、あなたの本当の悩み
と称して「7つのパターン」に分けてご紹介したいと思います。
これをあなたの「何がしたいかわからない診断」だと思って読んでみてくださいね。
あなたはどのパターンに当てはまるでしょうか?
私としては、この記事だけではパターンの説明としてぜんぜん言葉が足りないと思っていますので、もし「このパターンは私に当てはまる!」と思った方は「リンク先の過去記事」も読んでみてくださいね。
より深く「何がしたいかわからない」という悩みの本質がわかると思いますよ。
パターン1 本当は働きたくないから、何がしたいかわからないと言ってしまう
「やりたい仕事がわからない」という相談をいただいた時、私はこんな質問をさせていただくことがあります。
「もしお金がスキなだけ使えるとしたら、何をしますか?」
この質問を見て、「なーんだ、よくある質問じゃないか!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、この質問を繰り返ししていくと、意外なクライアントさんの本音が表れるんですよ。
実際、こんな感じのやり取りになることがあります。
(以下、「ク」はクライアントさん、「杉」は、私、杉田の略です)
ク 「やりたい仕事がわからないので、見つけたいんでけど、自分が何したいかがわからないんです」
杉 「では、質問なのですが、もしお金がスキだけ使えるとしたら、何をしますか?」
ク 「うーん・・・家を買います」
杉 「それから?」
ク 「スキなだけ買い物します」
杉 「それから?」
ク 「海外旅行します」
杉 「どれくらい海外旅行を続けられそうですか?」
ク 「まぁ、1年も旅行したら、さすがに飽きると思います」
杉 「それからどうしますか?」
ク 「んー、働かないですね。日々自分が楽しいと思ったことをやっていきます」
杉 「それでずっとやっていけそうですか?」
ク 「はい。やっていけると思います」
この「もしお金がスキだけ使えるとしたら、何をしますか?」という質問をすると、
クライアントさんは最初、「旅行する」「家を買う」「友人に会いに行く」「自然の中でのんびりする」「スキなだけ寝る」のような、
「日頃満たされていないことを満たそうとする答え」
を言われるんですね。でも、そこはあまり重要ではありません。
大切なのはその後で、
「では、日頃満たされていないことが全て満たされた後、どうしますか?」
という方向で質問をしていくと、その方の本音が表れるんですよ。
中には、「やりたい仕事を見つけたい」と相談に来たのにもかかわらず、「働かないです」なんて答えに至ることもあります。
もしかすると、そういう方の本音は、
「やりたい仕事は無職です」
なのかもしれません。
でも世の中には、無職でお金がもらえる仕事というのは、ほぼないですから、「無職」という自分のやりたい仕事ができなくて、「やりたい仕事がわからない」と悩んでいるのかもしれないんですよね。
といっても、この話は、「働かないです」と答えた方が全員「やりたい仕事は無職です」と言いたいわけではないんです。
ただ、「根っからのやりたい仕事は無職です」という方は、このように質問をしていくと、自分の隠れた無職願望に気づいてしまうみたいで(笑)、
「自分のやりたい仕事は、無職か!でもそうかも!(笑)」みたいに苦笑いされるんですよ。
本当に働きたい方は、「お金がいくらあっても働きます」のようなことを言われますからね。
それから、このように質問していくと、最後に、
「趣味の○○をします。でも趣味ばかりだとつまらなくなりそうなので、少しだけ働きたいです」
のようなことを言われる方もいらっしゃるんですけど、そういう方が本当にしたい仕事は、
「やりたい仕事はパートタイムです」
なのかもしれません。
もしそうだとすれば、その方が「正社員の仕事をしたい」と望むのは、望む以上に長い時間働かないといけないわけですから、矛盾が生まれるわけですよね。
つまり、「やりたい仕事は無職です」「やりたい仕事はパートタイムです」、どちらの方も、本人は「どの仕事内容がいいかわからないから仕事が決められない」と思っているかもしれないんですけど、もしかすると、
「働きたくないのに、働かないといけない」という「仕事内容以前の問題」に悩んでいるのかもしれないんです。
そのせいか、こういうタイプの方は、「自分を楽しませてくれる仕事があるなら、働いてもいい」のような受け身なスタンスの方が多いんですよ。
ただこんな話を聞くと、「仕事したくないなんて、けしからん!」なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
「スキ/キライ」というものは、自分でコントロールできるものではないですよね。
カレーライスがスキな人は、「カレーをスキになろう!」と決めてスキになったわけじゃなくて、気がついたらカレーがスキになっていたわけで、
「スキ/キライ」なんて、自分の頭で、「これをスキになろう!」なんて決めらなくて、いつの間にか「決まってしまうもの」だと思うんです。
そうだとすると、「仕事をするのがキライ」というのも、ある意味それと同じで、その人は、「たまたまそういう人だった」ということだけで、私が「セロリがキライ」という話と基本的に同じだと思うんですよ。
となると、「やりたい仕事は無職です」という方の相談というのは、本人が口にするような、「やりたい仕事を見つける」という方向で行くよりは、
「やりたくない仕事をどうやってしのいでいくか?」
「いかにやりたくない仕事を負担少なくやっていくか?」
ということのほうがリアルな相談内容なのかもしれません。
ただ誤解していただきたくないのは、この話は、「やりたい仕事は無職です」という方が、本当に「やりたい仕事がない」のかどうかは、わからないということです。
人は、「やってみたら、その仕事がスキになりました」ということもありますからね。
ただ、「やりたい仕事は無職です」という方は、「その仕事をやる前の時点」で「やりたい」という気持ちは湧きづらいので、「コレだ!と思う仕事が見つかったら働く」なんて思っているといつまでも見つからないので、迷走しやすくなると思います。
ということで、本当は働きたくないから、「何がしたいかわからない」と言ってしまうというという方が一定数いらっしゃるということです。
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パターン2 希望がなくなるよりは悩んでいたいから、何がしたいかわからないと言ってしまう
私のところには、ミュージシャンとか、漫画家とか、作家とか、俳優とか、イラストレーターとか、その他にも生計を立てていくのが難しい仕事を目指している方から相談をいたくことがあります。
そういう仕事を目指している方は、なるのが大変な分、夢と現実の間で揺れることが多いですから、考えすぎてしまって、「自分が何がしたいかわからない」ってなるみたいなんですね。
そんな方と、このようなやりとりになることがあります。
ク 「ミュージシャンになりたいと思っているんですけど、そっちでやっていくとは決めきれずに、ズルズルと全然関係のない仕事をしています。考えすぎて、もう自分が何がしたいかわからなってきました。でも、こんなことでいつまでも悩むのはツライので、ミュージシャンになるのか、ならないのか、ここでハッキリ決めたいです」
杉 「わかりました。確認なのですが、本当に「ミュージシャンになるかどうか」をここで決めていいんですか?」
ク 「はい、もうこんなに悩んでいるのはツライんで」
杉 「わかりました。ではミュージシャンになるには、どうすればいいんですか?」
ク 「事務所のオーディションを受けて合格すれば、とりあえず道は開けます」
杉 「そうなんですね。オーディションを受けて、受かるに越したことないですが、もし何社落ちたら、さすがにあきらめるとかありますか?」
ク 「そうですね、30社とか落ちたら、さすがにあきらめると思います」
杉 「では30社受ければ、とりあえずミュージシャンになるかどうかは決められるということでしょうか?」
ク 「・・・はい」
杉 「今まで何社くらい受けましたか?」
ク 「ずいぶん前に1社受けたんですけど・・・それだけです。自信がなくて」
杉 「このセラピーを受けて自信がついたら、どんどんオーディション受けに行きますか?」
ク 「・・・・・いえ、行かないと思います」
こういうケースでは、本人は、「こんなに悩むのはツライから、ミュージシャンになるか、ならないかハッキリ決めたい!」と言っているにもかかわらず、
実際は、「決めたくない」んですよ。
というのは、こういう方は、「ミュージシャンになりたいけど、なれない」という悩みを持っている限り、「自分には、ここではないどこかがある」って希望を持てるからなんです。
全然興味のない、今の仕事をやり過ごすための「希望」として、「やりたい仕事があるのに、会社を辞められない」という悩みが必要で、それで日々のバランスをとってるんですね。
なので、もしオーディション30社受けて、本当に全部落ちてしまったら、その希望が持てなくなってしまうわけですし、
きっと本人は、そうなってしまうだろうと薄っすら気づいているんだと思うんです。
だからオーディションを受けないし、ミュージシャンになるか決めようとしないのですね。
「告白しなければフラれない」みたいな感じでしょうか。
こういう方は、「悩みが希望になっている」といえると思います。
でも、こういう悩みが希望になっている方は、努力していないのかというと、まったくそんなことなくて、
たとえばミュージシャンになりたい方だったら、曲作ったり、楽器の練習をしたり、ライブとかも一生懸命しているんですよ。
でも、そういった「技術向上のための活動」はしているけど、
オーディションを受けるような、「直接的にミュージシャンになるため活動」は、何年もやっていなかったりするんですね。
私は、こういう方を、「なろうとしない人」と呼んでいます。
他の例でいえば、「漫画家になりたい」という方が、画がうまくなる練習はしているけど、出版社に原稿を持ち込みに行かないもそうだと思います。
このように、
目指しているものになるための「直接的な活動をしているか?していないか?」
というのは、その方が、「なろうとしない人なのか、本当に目指している人なのか」を見極めるための1つのポイントになると思います。
もちろん、生計を立てていくのが難しい仕事を目指すか、あきらめるかに、正解があるわけではありません。
ただこのように、希望がなくなるよりは、悩んでいたいから、「何がしたいかわからない」と言ってしまうという方が一定数いらっしゃるということです。
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「なりたいこと」があってもやらない理由は、「なりたい」という希望を持ち続けていたいから
パターン3 本当は人とつながりたいのに、そのことに気づいていないから、何がしたいかわからないと言ってしまう
「私のところに、どんな職業の方が一番多く相談に来られるのか」という話をしますと、実は「システムエンジニア(SE)」の方なんですよ。
SEというのは、長時間労働だし、パソコンに向かいっぱなしだしで、メンタルをやられやすい職業として知られていますから、相談に一番来られる職業と聞いてもそんなに驚かないかもしれません。
でも、私がSEの方についてお話したいことは、そういう一般的な話でなく、ある時、
「アレ、SEの方って、いつも同じような悩みを言われるな」と気づいたことがあったんです。
それがどんな悩みかというと、「人がキライなフリをしている」という悩みなんです。
たくさんのSEの方との対話の中でわかってきたことは、SEを選んだ理由に、
人が苦手な方が、「あまり人と接しなくてもすみそうだから」という理由で選んだ
ということをお聴きすることが多かったんですね。
で、実際にSEとして働くと、本当に望んだ通りの、人とあまり接しない生活になるそうですが、そうしていると「なんだかツラくなる」そうなんです。それで、
「最近、なんだかわからないけど、調子が悪い。何をやっても楽しくない。やりたいことを見つけたい」
のような相談を私のところでされるんですね。
ところが、そういう方に、「何がツライのですか?」とお聞きしても、本人には、そのツラさの正体がわからないんですよ。
ただ、「人に興味がない」「人がスキじゃない」「人と会うのがメンドクサイ」みたいな話は散々されるんです。
でも、それってちょっとおかしいなと思うんですよ。
もしその方が本当に、「人に興味がない」「人がスキじゃない」なら、ふだんやっている、人と関わらない生活は、ハッピーなはずじゃないですか。
ところが、そういう生活が、「なんかツライ」と言っているんですよね。
こういったケースでよく起きていることは、その方は、
「本当は人とつながりたい」
んですよ。
でも自分では、「人に興味がない」「人がスキじゃない」と思っているので、そのことに気づけていないんですよね。
つまり、普段「本当は人とつながりたい」という気持ちを感じないように、表現しないように、行動として表さないようにして、「自分で自分をお預け状態にしている」から苦しくなるんです。
では、なぜそんなめんどくさいことをしてしまうのでしょうか?
そういう方とお話していくと、子供の頃、思ったとおりの関心や愛情をくれない親に対して、いちいち傷つくのがツラいから、
「(本当はスキな)親に関心がないフリ」をすることで、自分が傷つかないようにしていた」
ということが多いんです。そして、そのフリを今でも親以外の「他人の前」で続けている。
そういう方は、自分では「人がスキじゃない」と思っているので、就職の時、たとえば、SEのような、あまり人と接しないような仕事を選んでしまうわけですけど、
本当は人に関心がないわけではないから(むしろ関心があるから)、人と接していない生活をしていると、「なんだかツライ」「なんか調子が悪い」ということになって相談に来られるわけです。
こういう話は、SEをやっている方ばかりでなく、人と一線を引いて、距離を置く生活をしている方が、
「いろいろやってみたけど、どれも楽しくない。何がしたいかわからない」
みたいな相談に来られる時は、このSEの方と同じようなことが起こっていることが多いです。
本来、人にとって、「人とのつながりを感じられない」「人との関係が薄い」「人と親しくなれない」というのはツライことなんですよ。
でも、自分がそのことにツライと思っていることに気づいていない方がいて、
「きっと私は、やりたいことをやっていないからツライんだ!」
のように、ツラさの原因を勘違いしてしまうんですね。それで、「やりたいこと探し」を始めてしまう。
でも、そういう方がチャレンジする「やりたいこと」というのは、1人でできる趣味とか、1人でするスポーツとか、高価な買い物をしたりとか、やたらと断捨離したりとか、
なぜか「自分1人で完結すること」ばかりやろうとするんですよね。
でもいくらそんな「自分1人で完結すること」ばかりしても、「人とのつながり」は得られないですから、ツラさは変わらないし、いつまでも「やりたいこと探し」をしてしまうんです。
私は、こういう方が「何がしたいかわからないから、やりたいことを見つけたい」ということで相談に来られても、そこを扱ってしまうと迷走してしまうので、本人とご相談のうえ、たいていは本丸である、「人とのつながり」を感じられるようするにサポートをしていきます。
ということで、このように、本当は人とつながりたいのに、そのことに気づいていないから、「何がしたいかわからない」と言ってしまうという方が一定数いらっしゃいます。
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本当は人がスキなのに、人がキライなフりをしている人は、「何がしたいかわからない」と言い出す
パターン4 自分より他人の評価を優先しているから、何がしたいかわからない
「いろいろ仕事をやってみても、すぐに興味がなくなる」という相談をいただくことがあります。
ク 「「これやりたい!」と思って、いろいろ仕事をやってみるんですけど、すぐに興味がなくなっちゃうんです。最近はやりたいと思っても、それを本当に自分がやりたいのかさえわからなくなってきました」
杉 「◯◯さんはふだん、やるのがスキなことはありますか?」
ク 「読書がスキです」
杉 「読書が本当にやりたいかどうかわからないとかなりますか?」
ク 「いえ、ならないです。読書はスキです」
杉 「やりたいかどうかって、そうやって自分でわかるものなのですが・・・」
ク 「そうですね。わかりますよね」
杉 「では、もし仕事を選べるとしたら、A or Bどちらを選びますか?
A 興味のない仕事だけど、まわりからスゴイと思われる仕事
B やりたい仕事だけど、まわりからスゴイと思われない仕事
ク 「・・・それなら、Aを選んでしまうかも。調子いいかもしれないけど、自分がスキで、かつ人からもスゴイと思われる仕事がしたい(笑)」
杉 「でも、それが一致していない。なぜならスキなものは、読書(笑)」
ク 「でも、書評とか書いて食べていける人だっているし、読書だって、仕事にできないことはないかも・・・」
杉 「そうですね。ただ職業として成立させるのは、それなりに大変かもしれません。それを承知で、読書を仕事にしていく覚悟はありますか?」
ク 「・・・ないです(笑)」
こういう方が言う、「いろいろ仕事をやってみても、すぐに興味がなくなる」というのは、
自分のカラダの感覚が「スキ → キライ」のように変化したから「興味がなくなった」というよりは、
アタマで人からの評価を計算して、
「これやってみても、この分野でブレイクできそうもないから、やーめた!」
「こんなことやっても、人から認められるのに時間がかかりそうだから、やーめた!」
「人から認められるために、ここまで地道なことはしたくないから、やーめた!」
という意味で、「興味がなくなった」と言っていることがあるんです。
もちろん、「人からスゴイと思われる仕事をしたい」と思うことがいけないというわけではありません。
実際にプロのギタリストは、「女性からモテたいから」という理由でギターを始めたという方も少なくない、という話を聞きます。それでもやりたいことが見つかっているわけですよね。
ただ、「人からの評価を得たい」という気持ちは、自分の内側から湧き上がるような、純粋な「やりたい」という気持ちとは違うので、「すぐやめたくなる」など、少しもろいところはあるし、やりたいことも見つかりづらいのではないでしょうか。
つまり、「人からスゴイと思われる仕事をしたい」と思っている人の問題は、
自分では、「やりたい仕事」を探しているつもりでいるのに、実際は、「人からスゴイと思われる仕事を探していること」に、「自分が気づいていない」こと
ではないかと思うんです。
ということで、このように、自分より他人の評価を優先しているから、「何ガしたいかわからない」と言ってしまうという方が一定数いらっしゃいます。
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やりたいことをやっても、すぐに興味を失ってしまう原因は、自分の感覚より人からの評価を優先しているから
パターン5 そもそも自分がわからないから、何がしたいかわからない
「やりたい仕事がわからない」と相談に来られた方に、私は少し変わった質問をすることがあるんです。
以下、そんな質問を2つご紹介します。
(1)「飲食店で、自分が食べたいものが選べますか?」
クライアントさんに、「どうしたいですか?」「どうなりたいですか?」のような、「希望を聞く質問」をしていくと、固まってしまう方がいらっしゃいます。
あまりにもそういうことが頻発した時、この(1)の質問をします。
すると、
「選べないです。自分が何を食べたいかわからないので、一緒に行った人が食べるものを聞いて、なんとなく決めたりします」
「なにか食べたいなと思ってコンビニ行っても、何が食べたいかわからなくて、30分かかっても決められないことがあります」
なんてお話をされる方がいらっしゃいます。
こういう方は、生活全般で「自分の”やりたい”というカラダの感覚自体がわからない」という状態になっているんですね。
そんな方にいくら、「どんな仕事をしたいですか?」「何に興味がありますか?」「何をしている時が楽しいですか?」のような話をしても、ぜんぜん出てこないですし、
たとえ何か答えられたとしても、「でも自分が本当にそれをしたいと思っているかわからない」みたいな答えになってしまうことが多いんです。
なので、こういう方の場合は、本人が「やりたい仕事がわからない」と言っていたとしても、いったんそのテーマから離れて、
まずは「自分の「やりたい」というカラダの感覚を感じられるようにする」ことを優先してサポートするようにしています。
(2)「小さい頃、読書感想文を書けましたか?」
クライアントさんに、「~についてどう思いますか?」のような質問をして、あまりにも意見が出てこないことが頻発する時、この(2)の質問をします。
すると、「大の苦手でした。自分の意見が全然ないので、いつもあらすじを書いてゴマカしていました」みたいに苦笑いされる方がいらっしゃいます。
これは、「ちょっと読書感想文が苦手」というレベルとかではなく、本当に全く書けないそうですね。
なので、就職活動とかでも、企業への志望理由が全く書けなくて困っていることも多いようです。
こういうタイプの方も、「やりたい仕事がわからない」以前に、小さい頃から、「自分の意見を持てていなかった」という可能があります。
こういう方も、本人が「やりたい仕事がわからない」と言っていたとしても、いったんそのテーマから離れて、まずは自分の意見を持てるようにするほうをテーマにします。
ということで、このように、そもそも自分がわからないから、「何がしたいかわからない」となってしまうという方が一定数いらっしゃいます。
このタイプに当てはまる方の詳細は、この記事の中だけでは全部お話しきれませんので、ぜひ以下の6つの記事を読んでみてください。
当てはまる方は、かなり「アッ!」ってなると思いますよ。
自分の気持ちがわかっていてもリスクが取れないから「何がしたいかわからない」と言ってしまう
自分にしかわからないことや、自分にしかできないことでも、他人に決めてもらったり、やってもらおうとしているから、やりたいことがわからない
自分が間違っていると思っている人は、間違っている自分が考えた答えも、やっぱり間違っていると思うから、自分のことが決められない
本当はガンバらないといけないのに、ガンバっていないから、やりたいこともできない
パターン6 「したい」と「すべき」の区別がつかないから、何がしたいかわからない
以下2つの相談を読んでみてくださいね。
「友達と会った時、その友達が、”これからの時代は、1つの会社に勤める時代じゃないから、自分でスキルを磨いていかないと生き残れない”って話していて、私もその話を聞いて、「たしかにそうだ!」と思って、○○の資格を取ろうと思って学校に入ったんですけど、全然ヤル気が出ないんです。友達は、すごくガンバっているのに・・・。私、本当に○○の資格を取りたいのか、自分の気持ちがわからなくなってきました」
「仕事で何がしたいかわからないんです。最初の会社は、大学で○○を先行していたので、それを活かすために、○○業界に就職したんですけど、社会情勢の影響で、○○業界の景気が悪くなってきて、このまま勤めても、もう未来がないのがわかったので、今度は、△△業界なら今までの経験なら活かせると思って転職したんですけど、上司の姿を見ていると、ここでどんなにガンバっても、もう限界も見えているというか・・・。なので、今、転職を考えているんですけど、自分のやりたい仕事がわからなくて・・・」
この2つの相談を読んでみて、何か違和感はありませんか?
この方は、なぜ何がしたいかわからなくなってしまっているのでしょうか?
その答えは、
「したい」と「すべき」の区別がついていないから
なんです。
「やったほうが良いこと(すべきこと)」は、 「やったほうが、うまくいく、損しない」ってだけで、自分が「やりたい」わけではありません。
でも、「やったほうが良いこと(すべきこと)」を「やりたいこと」だと勘違いしてやると、「アレ、私、やりたいことやってるはずなのに、なぜできないんだろう?」みたいなことがよく起きます。
あ、もしこの説明の意味がわからない方は、これも記事内ですべてをご説明するのは難しいので、以下の5つの記事を読んでみてください。
やったほうが良いことはたくさんあるけど、あなたがどれだけしたいかだ
「やりたいこと」という言葉のイメージを勘違いしていると、やりたいことはわからなくなる
自分の内面をちゃんと言葉にできないと、やりたいことを勘違いする
ちなみに、このパターンに当てはまる方は、いわゆる子供の頃から、「良い子」として育ってきた方が多いです。
そういう方は、自分で全部選んで、いつも自分がやりたいことをやってきたと思っていても、
実は、無意識に、その人の頭の中にいる親がOKと言ってくれるものの範囲からしか、自分の「やりたいこと」を選べていなかったりするんですね。
たとえば、何かの資格を取ろうと思ったけど、すぐにやめてしまって、また他の資格を取ろうと思ったけど、やっぱりまたやめてしまって・・・なんてことを繰り返している人の中には、
本当に本人がしたいことをしているのではなくて、両親が期待した自分になろうとしてる、なんてこともあるんですよ。
そういう資格を持っているような自分だったら、お父さん、お母さん認めてくれるかも、なんて、無意識に「自分はこうあるべき」みたいに思って。
大人になった今でも、気づかないうちに、親の期待に答える「良い子」を演じ続けているんですね。
そういう方は、今までも、「自分がやりたいことをやった経験」がないわけですから、「自分がやりたいことをやる感覚すらわからない」ということがあります。
パターン7 本当は性格のことで悩んでいるから、何がしたいかわからないと言ってしまう
「いろんな会社で働いたけど、いつも仕事が続かないんです。やりたい仕事がわかれば、私も続けられると思うので、やりたい仕事を見つけたいです」
このような相談をいただくことはとても多いのですが、私は、こういう悩みを聴いた時、
「今まで働いてきた会社は、どのような感じで辞めていますか?」
と、まず「会社の辞め方」についてお聴きします。
すると中には、辞め方に「共通のパターン」があるというか、何度も同じような理由で会社を辞めている方がいらっしゃるんですね。たとえばですが、
「会社で業務の話はできるけど、それ以外の話ができないので、まわりと親しくなれなくて、孤立してしまうんです。そうなると、自分の居場所がない感じがして、いつも辞めてしまいます」
なんて言われたとしましょう。
こういう場合、この方の中では、以下のように「悩みの翻訳」が行われていることがあります。
↓
どこの職場に行っても居場所がないと感じる
↓
だから、どんな仕事をしてもつらくなる
↓
「やりたい仕事をしてないから、つらいんだ!」と思う
↓
「やりたい仕事を探さなきゃ!」と思う
↓
やりたい仕事がわからない
こういったケースでは、たしかに本人は、「やりたい仕事を見つけたい」と思っていると思いますが、ただそうだとしても、
まずは、「人と親しくなれない」という性格の悩みに取り組んだほうが良いのかもしれせん。
というのは、このままだと他の会社に行っても、もしやりたい仕事に就けたとしても、同じようなことが起こってしまう可能性がありますし、
もしかすると、「人と親しくなれない」という悩みが軽減すれば、そこまでツラく感じずに今の職場で働けるかもしれないからです。
実際、「やりたい仕事がわからない」という方が、「性格の悩み」を解決すると、ふつうに働けるようになって、
「やりたい仕事がわからない」とか悩まなくなるということはよくあるんですよね。
このように、「やりたい仕事を見つけたい」という相談に来たのに、「性格の悩み」が浮かび上がってくることがあります。
ということで、性格の悩みの抱えた方が、「自分がやりたいことやってないから、こんなツラいるんだ」と思って、
「やりたいことさえやれれば、悩みがなくなるはず!」とある種の希望を持って、
でもそのやりたいことがわからないから、「何がしたいかわからない」と言われることがあります。
(上記の内容がもっと詳しく書いている記事はコチラからどうぞ)
「仕事で何がしたいとか全くないけど、やりたい仕事を見つけたい」というあなたへ
「何がしたいかわからない」のウラにある悩みで一番多いのは、「性格の悩み」
さ、ここまで、
「何がしたいかわからない」という言葉のウラにある、あなたの本当の悩み」
について、「7つのパターン」をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
こういうことが、この記事の冒頭でもお話した、
「何がしたいかわからない」という方は、「やりたいことがわからないので、見つけたい」と言われるけど、本当は「やりたいこと」なんて探していなかったり、
「やりたいことがわからないこと」とは、まったく別のことで悩んでいることが多い
っていうことなんですね。
あなたに当てはまるパターンはありましたか?1つだけでなく、複数のパターンに当てはまる方もいらっしゃるんじゃないかと思います。
で、ここからが大切な話なのですが、私が10年間に4000人以上の方のご相談を受けてきた中で、「どのパターンに当てはまる方が多かったのか?」という話をさせてただくと、
パターン7 本当は性格のことで悩んでいるから、何がしたいかわからないと言ってしまう
だったんですよ。
というか、ぶっちゃけますと、パターン7だけが「性格の悩み」なのではなく、
パターン3、4、5.6も、実は全部「性格の悩み」
と言えるんですね。
つまり、「何がしたいかわからない」と相談に来る方は、よくよくお話を聴きしてみると、「やりたいことが見つからない」というより、
「自分の性格のことに悩んでいる」
ってことのほうが多かったんですよ。
私は、そういう「性格」のことで悩んでいる方がいらした時、その方に「子供の頃の親子関係」について話をお聴きします。(性格というのは、5、6歳前の頃までにほぼ固まり、15、16歳頃には完成するから)
すると、クライアントさんの「今現在の状況と子供の頃の状況が似ている」ということがよくあるんです。
たとえばですが、「どこの職場に行っても居場所がないと感じる」という方に子供の頃の話をお聴きすると、
「親が自分に無関心で、自分が愛されている感じがしなかった」
「家族の仲が悪くていつもバラバラで、自分はこの家にいる意味がないと思っていた」
など、「家族の中に居場所がなかった」のような話をされることも多かったりします。
他にも、
「ガンバっているのに、上司にわかってもらえないのがツラいです。それでいつも上司との関係が気まずくなって会社を辞めています」
なんて言われる方は、
子供のころ、「親に自分の気持をわかってもらえなかった」という気持ちを抱えていることが多いですし、
「自分より上司から目をかけられている人を見ると、モヤモヤしてツラくなる」
なんて言われる方は、
子供のころ、
「兄弟で比べられていると思って、コンプレックスを感じていた」
「自分だけかまってもらえなかった」
なんて話をされることも多いです。
ではなぜこのように「今現在の状況と子供の頃の状況が似てしまうのか」というと、人は感情をその場で表現せずに抑圧すると、
その感情は「未完了」ということになり、その人の中に残るんですね。
それで、大人になっても、その感情を抑え込んだ時と似たような状況になると、「未完了の感情」が出てきて、まるで子供の頃と同じような「行動」をとってしまうんですよ。
ですから、「子供の頃の親との関係 = 現在の他人との関係」といっても過言ではないんです。
大人になっても、無意識に自分の親の顔を、他人の顔に当てはめて生きているんですね。
だから、「今現在の状況と子供の頃の状況が似てしまう」んです。
(「子供の頃の親子関係」と「性格」についての詳しい話は、以下の4つの記事をどうぞ)
子供は親に無条件の愛を持っている
子供の頃、「親が期待に応えてくれなかった」と思っている人は、他人にその期待をするようになる
子供の頃、「自分が歓迎されていない」と感じていると、自分を抑えるようになる
また、子供の頃の親子関係によってできた
「思い込み」
によって、「やりたいこと」が見つかりづらくなるという方もいらっしゃいます。
たとえば、
「親から、勉強ができた時だけ認めてもらえて、できない時は認めてもらえなかった」
と思っている方は、
「優秀ではない自分が許せない」
と思い込むようになったり、
「いつも親にダメ出しばかりされていた気がした」
と思っている方は、
「ありのままの自分は認められない」
と思い込むようになったり、
「親の期待に応えることで、かわいそうな親を喜ばせようとしてきた」
と思っている方は、
「人の期待に応えないといけない」
と思い込むようになったりするんですけど、
そんな「思い込み」を持っていたら、無意識に「自分より他人を優先」してしまいますから、自分の「やりたいこと」なんてわからなくなってしまうと思うんですね。
そんな方が、「何がしたいかわからない」と相談に来ても、まずは、そのテーマに取り組むより先に、
人の期待に応えることではなく、自分の「やりたい」を優先できるようになることのほうが大切だと思います。
性格の悩みをどう解決するか
ではどうやったら、そのような性格の悩みが解決するのでしょうか?
基本的には、自分だけで性格の悩みを解決するって、なかなか難しいと思うんですね。
でも人は、「素晴らしい人との出会い」や「印象的な体験」があったりすると、性格が変わったと感じることってありますよね。
良い先生とか、パートナーに出会って人生が変わったとか。海外で生活して積極的になったとか。
ただそういうことが起こるのは、ある意味、偶然を待つしかないじゃないですか。自分が悩んでいる時に都合よく起きてくれるとは限らない。
私は、そんな時のために、心理カウンセリング・セラピーがあるんだと思っています。
心理カウンセリング・セラピーは、「心」という見えないものに挑んだ心理界の先人たちが積み上げてきた科学的な理論や手法がたくさんありますので、性格の悩みを解決する有効な手段になると思います。
なので、性格のことで悩んで、自分だけではどうにもならないと思った時は、1人だけでガンバらずに、心理セラピストの力を借りてくださいね。
子供の頃の心の傷を癒すと、自分の性格とうまく付き合えるようになるんですよ。
さ、ということで、ここまですごく長い記事になってしまいましたが、以上が、
「何がしたいかわからない」あなたが最初に読むページ
でした!
もしこのページだけでは、自分がどれに当てはまるかわからない方や、
逆に、「何がしたいかわからない」という言葉のウラにある、自分の本当の悩みにお気づきになって、それを何とかしたいと思った方は、
もし良かったら、私は個人セッション(心理セラピー)もやっていますので、ご利用くださいね。
それから、このブログには他にも「何がしたかわからない」がテーマの記事が70個ほどありますので、気になる方は読んでみてくださいね。
それでは、「何がしたいかわからない」という悩みのキッカケに、あなたが自分の本当の悩みを解決できるように応援しております!
それでは今回はココまでにします。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
また次回お会いしましょう!